[Jetson AGX Orin] NVIDIA SDK Manager 2.1.0でJetPack 5.1.3をセットアップしてみました

[Jetson AGX Orin] NVIDIA SDK Manager 2.1.0でJetPack 5.1.3をセットアップしてみました

Clock Icon2024.08.13

[Jetson AGX Orin] NVIDIA SDK Manager 2.1.0でJetPack 5.1.3をセットアップしてみました

1 はじめに

製造ビジネステクノロジー部の平内(SIN)です。

NVIDIAの各種製品は、NVIDIA SDK ManagerによってJetPackのセットアップが可能です。

JetPackは、Jetson Linux (L4T)をはじめとして、CUDA、cuDNN、TensorRT、開発環境を含む環境そのものであり、実質的に、JetPackのインストールは、OSを含む再インストールの環境構築となります。

最新のJetPackは、6.0なのですが、現時点では、まだ、私が利用させていただいているNVIDIA L4T PyTorch(PyTorchのDocker環境)が、未対応のため、今回は、5.1.3をインストールしました。

下記は、JetPack 5.1.3のセットアップ後にjetson-statsで確認した、ライブラリ等のバージョンです。

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JetPackのセットアップについては、NVIDIA SDK Manager Documentationに丁寧なドキュメントが用意されており、基本的に、これに従えば、問題なく作業を進めることができると思いますが、個人的にちょっと戸惑った部分もあり、ここに作業記録として残させて頂きました。

2 セットアップ手順

主な手順は、以下のとおりです。

  • ホストOSの準備(Ubuntu 20.04)
  • SDK Manager(2.1.0)のインストール
  • モジュール等のダウンロード
  • ホストOSとJetson AGX Orinの接続
  • OS、ライブラリ等のインストール

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3 ホストOSの準備 (Ubuntu 20.04)

ホストOSとして利用可能なのはUbuntuのみであり、バージョンによりインストールできるJetPackのバージョンが決まります。

https://developer.nvidia.com/sdk-manager

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今回、Ubuntuのバージョンを20.04としたのも、5.xをインストールしたかったためです。

なお、/etc/os-releaseを編集することで、Ubuntu 22.04 で Jetpack5.1をセットアップする方法が、NVIDIAのForumsに紹介されていました。

https://forums.developer.nvidia.com/t/how-to-install-jetpack-5-1-2-using-sdk-manager-2-0-and-host-computer-running-ubuntu-22-04/280502

手元でも試してみて、確かにSDk Managerで選択可能になることは確認できましたが、すいません、セットアップが最後まで正常に完了できるかどうかまで、ちょっと確認できておりません。

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4 SDK Manager(2.1.0)のインストール

(1) ダウンロード

NVIDIA DEVELOPERへのログインし。
Jetson Download Center
から、NVIDIA SDK Managerをダウンロードします。

005

$ pwd
/home/sin/ダウンロード
$ ls -al
-rw-rw-r--  1 sin sin  88950632  8月 11 16:08 sdkmanager_2.1.0-11698_amd64.deb

(2) インストール及び、起動

$ sudo apt install ./sdkmanager_2.1.0-11698_amd64.deb
$ sdkmanager

ホストOSの要件で、8GB以上のメモリが必要となっておりましたが、今回使用したPCが4GBであったため、起動時に下記の警告が表示されていました。そのまま進めても最後まで作業は進みました。

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SDK Managerが起動したら、LOGINします。

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使用状況収集などの同意確認のあと、メインの画面が表示されました。

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5 モジュール等のダウンロード

STEPを進めると、ダウンロードフォルダ生成の確認のあと、各種モジュール等のダウンロードが始まります。

~/Downloads/nvidia/sdkm_downloads
~/nvidia/nvidia_sdk

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6 ホストOSとJetson AGX Orinの接続

(1) 接続

ホストOSとJetson AGX Orinは、付属の接続ケーブルで接続します。

Jetson AGX Orinには、USB-Cの差込口が2箇所ありますが、リカバリーモードで使用できるコネクタが決まっているため、利用に注意が必要です。

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(2) リカバリーモード

下記の手順でリカバリーモードに移行します。

  1. 電源アダプターに接続し、電源がオフであることをLEDで確認する
  2. 中央 (強制リカバリ) ボタンを押し続ける
  3. 左 (電源) ボタンを押し続ける
  4. 両方のボタンを放す

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リカバリモードでの接続が完了すると、ホストOS側でデバイスを確認できます。

$ lsusb | grep -i nvidia
Bus 001 Device 006: ID 0955:7023 NVIDIA Corp. APX

また、SDK Manager側でも、デバイスの検出が表示され、種類の選択画面となります。

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7 OS、ライブラリ等のインストール

(1) OSインストール

STEPを進めると、インストールが始まります。

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「Jetson Linux image」のインストールが完了「OS image ready」まで進むと、次のダイアログが表示されます。

ユーザ・パスワードを設定し「Flush」で、インストールを進めます。

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Flush Jetson Linuxが97%ぐらいまでくると、 JetsonのUbuntuの立ち上がって来ます。

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手動構成を選択した場合は、この時点で、Ubuntu の「システム構成ウィザード」を完了させる必要があります。自動構成の場合は、OSログインの画面が表示されるまで待ちます。

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その後、SDK Managerで表示されたダイアログで、ユーザー名とパスワードを入力してInstallへ進みます。

※ IPv4 192.168.55.1 は、USB経由の接続のこと

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(2) ライブラリ等のインストール

次の画面は、SDK Managerは、Jetson AGX Orinモジュールのインストール準備状況をチェックしているものです。

  • ディスク容量
  • インターネット接続
  • APT リポジトリへのアクセスと、それを使用して Debian パッケージをインストールする機能
  • 完了するまでに 1 分ほどかかる場合があります...

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チェックが完了するとJetson Orin側の画面は、真っ黒になり、Jetson Runtaime Components/CUDA Runtimeからインストールの続きが進行します。

ここから先は、Jetson側の画面は、真っ黒のままとなります。

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(3) FINISH

INSTALLATION COMPLETED SUCCESSFULLY と表示されたらFINISHをクリックして終了

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この時点で、Jetsonの方は、ログイン待ちの状態となっています。

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接続ケーブルを外して、再起動すると作業は完了です。

8 最後に

今回は、NVIDIA SDK Managerを使用したJetPackのインストールを実施してみました。

OSの再インストールとなるため、ちょっとハードル高く感じてしまっていたのですが、手順を間違えなければ、なんとかなるかなという印象です。

実は、作業は何回か失敗してしまったのですが、Jetson側の状態確認(システム構成の完了待ちなど)ができていない状態で、SDK Managerで次のステップへ進めてしまったことが、主な原因だと思っています。

今回の記事では、この反省を元にセットアップ中のJetson側の状態もできるだけ細かく記載してみました。

NVIDIAで提供される各種ライブラリ等は、基本的に、JetPackのバージョンに紐づいているので、逐次、バージョンアップに追従することも必要になると感じています。

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